日本株に時価総額拡大の流れ
- 世界的な規模での流動性相場は、まだ緒についたばかりだ。いうまでもないが世界的なこの金余り現象は景気立ち直りに向けた各国による超金融緩和政策によってもたらされたものである。発火点である米国では通貨供給量M1がこの5月には前年比で16.2%まで膨張している。07から08年前半にはゼロ近辺にあったことを考えると顕著な増加である。英国でも4月に17.4%も急増している。日本ではこれらの国ほどの著増はないものの、5月には2.7%の増加を見せている。ここに来て原油を始めとするコモディティーや新興国の株式や通過の異常な上昇はこれらの余剰マネーが活躍のエンジン役となっているのである。しかもこの勢いはまだ緒についたばかりだ。
日経平均株価は、大台の1万円乗せを示現し、今後の展開について強弱感が出ているが、対世界比での相対比較では依然として出遅れ修正の余地は残されているのだ。グローバルな循環物色として値動きの軽い新興国に現在、高値警戒感が台頭する一方で、世界景気の底入れの明確化と共に日本の『世界景気敏感・大型株』への資金シフトが注目され始めている。この理由は、国際分散投資を行なう世界の機関投資家にとって、日本株を最低でも運用マネーの10%を振り向けなければならないからである。日本株の時価総額は世界のまだ8%に過ぎない。しかも時価総額の増加率は、直近で全世界が年初からこの9日までに16.07%の増加を記録したにも拘らず、日本株は僅か0.37%の増加に留まっているのである。インドやブラジル、中国などの66%、58%、57%のみならず先進国の英国の21%、米国の6%に比べるとまだ修正の正常化は道半ばといった状況なのである。世界的な株高によって株式ポートフォリオの合計残高は年初から急増中である。世界の機関投資家にとって全体のマネーのパイが大きくなった分だけ地域別の配分比率もまた大きくしなければならない。従って日本株を買い増すロットもまた拡大しなければならないのだ。日本の投資家は、東京市場を単体と捉えることなく、目を世界に転じる新たな視点が必要なのである。
クレディスイスが、本日、『三菱重工の時代が到来』とするレポートを出し、世界のインフラ投資革命に備えよとのリードで、目標株価を320円から600円に引き上げたのも、これらのマクロの視点に基づいたものだと解釈すべきであろう。
明智 平蔵