ソーラービジネスが楽しみ
- 日本板硝子 [5202] 東証1部 時価:302円
世界的なガラス需要の急激な悪化で日本板硝子の現状は苦しい。10年3月期の営業損益は300億円の赤字へ落ち込む。ビルキントン社買収の負の遺産も大きい。しかしながら、こうした業績の悪化は昨年9月以降の株価下落過程で織り込み済みである。日経平均が一時1万円の大台を回復する局面のなかで同社が将来ビジネスの大きな柱と位置づけるソーラービジネスが急成長途上であることなどを考えると株価の出遅れは著しいと考え推奨する。この水準を着実に拾えば、今年半ばから後半へかけ100円高の可能性が十分にあると見る。ソーラービジネスの核は、太陽電池用のガラス部材だ。「ビルキントン社分を加えると世界シェアは7割を超す。この部門ではリーディングポジションにある」(会社側)。ソーラービジネスがこの会社の新たな成長ドライバーとなる可能性を秘めているのだ。太陽電池部材需要は牽引役のスペイン市場が鈍化する傾向にある。しかし、イタリヤやギリシアなどが引き続き成長しているほか、日本政府の後押しもあり、今後は国内需要が急拡大する。この部門の前期は7−8割の増収となった。さらに「2011年度は売上高の10?をソーラー部門が占める計画」(同)は、見逃すことはできない。
余談になるが、日経平均が一時1万円台を回復したことで当面の目標達成感が怖い。当社(明智投資研究所)では、日経平均株価の1万円が1万3000〜1万5000円へ向かう単なる通過点であると考えているが、ことは相場のことで外部材料如何で株価の下ぶれもあり得る。当社では日々、研鑽しながら銘柄の選択と推奨を行っている。日本板硝子の場合、仮に下げても、下げ幅が小さいのでは、その一方で売上高の4割を稼ぐ建築・自動車用ガラス需要の底入れ、さらに回復の兆しさえ見えれば、その「果実」の方が多大と考えた。業績は今期が大底と見る。ビルキントン社買収から3年を経過した。負の遺産解消は決して生易しいものではないが、ようやく、先の展望が見えてきた。日本板硝子の社長はビルキントン社出身の英国人。全世界で6700人の人員削減を行った「コストカッター」でもあるが、一方では将来ビジネスに確りと投資する有能な経営者である。この外人に賭けて見たい。