物色の変化と新相場

東京市場は前場で一時、6月3日の高値9741円を上抜き、9774円の高値を示現した。全体的に強い展開が続いている。大台の1万円回復は目前だが、当面は来週末に控えているオプションのSQまでは堅調との見方が出ている。強気の見通しが出る要因の一つが価格帯における累積売買代金の少なさだ。日経平均株価の9500円から1万2000円の価格帯は、リーマンショック後の08年9月29日あたりから僅か7営業日ほどで一気に下落したレンジである。まさに真空地帯である。それだけに買いが入れば需給的には戻り易いと考えられる。特に売り方が最大の売り材料とみなしていたGM問題が解決した結果、新たな売り材料が見当たらなくなったことも株価の上昇要因として捉えられる。
新しい市場テーマとして注目されるのが、出遅れセクターや銘柄の物色である。日経平均の年初来パフォーマンス・ワーストランキングでは下位から8番目に位置する東宝(年初来マイナス25%)が、直近5日間でプラス8%を越す上昇と、反発に転じている。このほか、日本郵船(同マイナス14%)がプラス7%、横川電機(同マイナス8%)がプラス10%となったほか、日本製紙(同マイナス25%)などが逆行高となっており、主力株の反落に対して低位物色という新しい循環ローテーションが機能する動きを見せている。TOPIXではさらに低位株のリバウンドが顕著になっている。年初来でマイナス41%のライトオンが直近の5日間でプラス15%の反発となっているほか、ソース・ネクスト(マイナス21%)がプラス18%と急騰、極東証券(マイナス14%)や、ユシロ化学(マイナス12%)がそれぞれプラス13%といった例が見られる。物色の変化は新しい相場の流れの道を作るものであり注目したい。

明智 平蔵