為替と株価の逆相関が始まる
- 為替相場がドル安に引きずられ、ドル・円は94.48円と以前と比べて円高トレンドの中にある。日本株は産業の構造要因で外需依存が高いためにどうしても投資家は円安を好むことになる。つまり円安は買い、円高では売りという投資行動が根付いてしまっているのだ。現実にはこの図式は決して間違っているわけではない。日経平均株価とドル相場との相関性はとりわけ05年以来、この図式で両者はパラレルに動いてきたのである。しかし今年の3月以来この関係が少しギクシャクしてきているのだ。必ずしもドル安が日本の株高とはなっていないのである。つまりはドル離れ、為替離れの現象が起きてきているのである。この理由は、金融危機の後退による日本市場の固有の動きと捉えるべきであろう。為替相場の動きを1998年にまで遡って見ると、このことが良くわかる。99年1月から、或いは02年1月からの日本の景気回復の局面では逆に円高・株高という図式になっていたのだ。日本の景気が回復すれば、仮に円高であっても株は買いなのだ、という投資行動が鮮明に出ていたのである。日本の内閣府は月例報告の基調判断を上方修正する見通しだ。現実に苦しい期間を日本の企業はリストラや在庫調整で耐えてきたのである。しかし世界に目を転じれば、先進国で日本ほどの実績を見せる国はない。あくまでも自助努力による成果なのである。従って為替が円高になっても決して不思議な現象ではないのだ。こう考えてみると、過去に例を見るごとく、今後は円高が日本株を押し上げる(円高・株高)というパターンに再び入っていくことになろう。円高を恐れる必要は全くないのだ。
明智 平蔵