格付け修正とオリンピック


NY市場は、米国の格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、英国債の格付け見通しを、初めて「ステーブル」(安定的)から「ネガティブ」(弱含み)に修正したと発表したことから、米国債の格付けも下方に見直されるという不安感が広がり、米国債・ドル・株式の市場がトリプル安に見舞われた。S&Pが英国の見通しをネガティブとするのは80年代の格付け開始以来初のことだが、あくまでも格付けの引き下げの確率は3割という。理由は英国の収入基盤の毀損。同国の債務は国内総生産(GDP)の100%に迫っているという(米国の比率は45%)。この英国債格付け見直し報道で、NYの貴金属はインフレ懸念の台頭から金・銀ともに大幅に上昇、金は一時、1トロイオンス当たり951・80ドルと3月23日以来の高値を示現した。またドルは対ユーロで0・9%、対円で0・6%とそれぞれ下落した。東京市場も朝方は連れ安となったが、前場の段階で持ち直しの動きが出ている。この折、メリルリンチが「東京オリンピック招致がヤマ場に」とのレポートを出した。2016年のオリンピック開催都市の決定は今年の10月2日だが、財政力があり、施設、安全面で優位な東京での開催の可能性が高まっているという。インフラ整備が焦点となるが、東京では羽田空港の拡張や環状道路の整備などが行なわれ、ゼネコン大手や豊洲・晴海地区の土地持ち企業(IHI、東京ガス)などの株価にプラス、としている。91年の長野オリンピックでは北野建設(1886)の株価が1ヶ月で56%上昇したという経緯がある。