インフル拡大と円高


東京市場は、ドル・円相場が94・86ドルと円高の方向にあることに加え、関西地区を中心とした新型インフルエンザの感染拡大が経済の停滞に繋がるとの見方から、前場で一時、9000円割れ(5月1日以来2週間ぶり)となった。新型インフルエンザに関してはこれまでの感染エリアが学生ベースから、東京三菱UFJ銀行の三宮支店の女性行員の感染に見られるように社会人にまで拡大したことから、今後の関東圏への拡大も憂慮されている。ただ、弱毒性であることから早期対処でカバーできるとの見方も広がっており、日本経済を麻痺させるような事態には至らないというのがコンセンサスだ。市場では円高を嫌気し輸出関連が売られ、新型インフル関連での繊維株が買われる展開となっている。その一方でNYダウは堅調な動きを見せている。個人投資家のマネーが株式市場に流入しているためだ。今年の1月末には、MMFには3兆7000億ドルの資金が停滞していたが、3月上旬に相場が底入れして以来、1170億ドルの資金がMMFから株式市場に流入したという。その反面、為替に関してはドルよりも安全資産として円買いの動きが加速している。米国債の格下げリスクが浮上していることが要因の一つだが、もう一点は、ファイナンス懸念によるドル安であり、結果的に米国が一番恐れているのが米国からの資本逃避である。円高がどこまで進行するか予断を許さないが、為替のテクニカルアナリストの分析では、当面93・9円か91・7円まで下落する公算も大という。こんな状況の下、モルガンスタンレーは08年決算を見た後の投資判断として、最大手ゼネコンの大成建設(1801)、大林組(1802)、清水建設(1803)、鹿島(1812)の4社に対する強気の見通しを明らかにした。