決算発表を読む、一つの視点


09年3月期決算が本格化している。市場では既に前期の大幅な業績の悪化、さらに今期も減益見通しとなっている企業が多いことは織り込み済みである。では、この状況下で、投資を行なうには何をポイントすべきなのか――。投資分析には多くの内外のリサーチャーが関与し、それぞれにデータを用いて投資法を抽出している。バークレイズの「営業キャッシュ・フローの創造力に注目」という視点もユニークな見方だ。銘柄選択には市場がまだ気付いていない収益改善に向けた企業の変化を見抜くことだが、そのポイントはまず、経常利益がコンセンサス予想を上回った企業で、かつ、営業キャッシュ・フローの変化率(営業キャッシュ・フローを総資産で割った値)が小さい企業に注目すべきだということである。この値が小さいということは、社内において在庫の圧縮などによって手元資金の拡大を厚くする策を必ず講じているというわけだ。こうした企業は将来、需要が拡大すると企業間の競争で優位に立つことができる。つまり、将来の景気回復に向けた企業の備えが進んでいるかの見極めになる。バークレイズではこれまで発表された企業業績で営業キャッシュ・フローに大きな変化を伴うことなしに、経常利益がポジティブ・サプライズとなった企業のケースとして次のような銘柄群をあげている。
キッコーマン(2801)、カネカ(4118)、日本触媒(4114)、日本特殊陶業(5334)、富士通(6702)三菱重工(7011)など。今後、決算発表が相次ぐが、この視点に注目してみることも重要な要素といえよう。