内外投資家の温度差
- 金融市場の懸念材料であったストレステストの結果が7日にFRBによって発表された。大手銀行の持ち株会社19行の査定では10行について資本増強が必要という結果となった。必要額はトータルで746億ドルである。今後これらの銀行は6月8日までに資本増強策を策定し当局の許可を得た後、11月9日までに資本増強を実行する、というスケジュールになる。既に観測報道がなされ、その実態が明白になったことから、NY市場は反発の局面を迎えている。一方の東京市場だが、短期間の株価上昇でいったんは利食いと見られる動きから、11日は弱い展開となっている。どうも、現段階で見る限り、日本と米欧の投資家の見方に大きな隔たりがあるようだ。日本ではまだ、株価が本格的に上昇過程に入ってはいないという懐疑認識が強いが、「逆に欧米の投資家では、これから世界のマーケットは本格的に立ち直りの局面を迎えると見ている」(市場筋)ことだ。何よりも象徴的なことは、東京市場に外人買いがここ連日で入っていることに加え、そのスケールが大きくなっていることである。この背景は、ブラジルやトルコ、南アといった新興国の通貨の上昇の動きを見れば分るとおり、再びリスクマネーがこれらの国に向かっていることの証明である。もっと言えば、金利水準の低い円を調達し、これらの新興国通貨で運用する円キャリー取引が再び起きており、今後も規模が拡大する可能性がある、ということだ。当然ながらその一方で、割安の日本株投資もこれにつれて加速することになろう。現実に、日本株は昨年秋の株価下落開始以来、日経平均株価の9000円から12000円の水準では殆ど株の売買が行われず、いわば、需給面でいえば真空地帯となっているのだ。この市場の需給関係を、彼ら外人たちが見過ごすはずがあるまい。日本の投資家は、もっと自信を持つべきなのだ。
明智 平蔵