日本株の出遅れが鮮明

東京市場は、米国の株価に対する感応度が極めて高いため相対的な株価の位置づけが判然としないが、視野を世界に向けてみると、いまや世界的に株価は急上昇していることが分る。S&P世界株価指数は3月の安値から5月の高値まで32.4%上昇、うち米国株は36.5%、欧州株は30.7%も上昇している。年初から見るとS&P世界株価指数は5.4%の上昇だが、新興国株価指数は24.5%と世界全体の株価上昇を大きくリードしている。特に台湾、ロシア、ブラジルなどの株価の上昇率が高い。また欧州株も最近は好調で4月以降5月5日まで16.4%上昇と、米国株の14.6%を凌いでいる状況だ。セクター別では上昇率が高いのは金融で68%上昇、ついで素材の46.1%上昇、3位が消費循環の45.9%上昇である。
これらの動きに対し、日本株の出遅れは顕著といえる。3月の安値から5月の高値まで22.3%上昇、4月以降5月5日まで9.6%上昇に過ぎない。この出遅れの理由だが、日興シティでは「最大の理由は世界景気回復期待を反映した資源エネルギー価格の上昇」と見ている。原油先物、貴金属.非鉄金属などは半年ぶりの高値をつけている。日本の場合はエネルギーの時価総額構成比が1.3%と小さい。2つ目の理由は日本の金融株の不振だ。S&P世界セクター別株価指数では3月の安値から5月の高値まで金融は68%上昇したが、日本の金融は27.9%の上昇に過ぎない。過去の世界景気回復時には日本株の相対株価は好調だった。従って、今後はこの日本株の出遅れの修正が起きることになろう。中国の景気拡大の恩恵は日本が一番大きいと見られること、財政出動の規模が対GDP比5%以上と世界でも最大級であり、その多くが年後半に集中すること、さらには優れた環境技術力があることなどだ。年の後半に向かって日本株が大きく上昇すると考えられる背景だ。

明智 平蔵