まず、公的資金申請か?
- 三洋電機 [6764] 東証1部 時価:172円
2月27日のパナソニックと三洋電機の共同リリースでは、パナソニックによる三洋電機株式の公開買付け実施に向けた進捗状況に付き、「国内外の競争法に基づき必要な手続き及び対応を終えた後、可能な限り速やかに実施する予定」とし「本公開買い付けの開始時期に関する情報については、改めて本年4月下旬を目処にお知らせする」としている。リリース通りなら近日中にTOBに関する情報の提示があるはずである。しかし、未だ、両社から発表はない。どうやら遅れているらしい。TOBの実施が遅れているのは、「リチウムイオン電池事業で独禁法に触れる可能性があり、このクリアに手間取っている」(関係筋)からとされている。だが、独禁法の罰則が最も厳しいECでは抽象的な表現があるだけで、市場シェアなど具体的なガイダンスは存在せず、独禁法がTOB実施のネックになっていないようだ。さらにパナソニック側にとって頭が痛いのは、三洋の大株主であるゴールドマン・サックス(GS)と合意したといわれる1株=131円のTOB価格。このところの株価上昇でGS側から合意の破棄か価格の上乗せを迫られるかも知れない。そこで別の救済策が浮上するという。それは三洋電機による改正産業再生法の申請だと事情通は語る。再生法による公的資金活用を申請・検討している主な企業は、エルピーダメモリ、パイオニアの2社。このほか日立も検討中という。報道によると、支援先の要件は、連結ベースで従業員5000人以上、またはこうした企業に代替困難な部品などを納入、四半期で20%以上、または半期で15%以上減収。自己資本が25%以上減り、借入は困難、企業価値を向上させる事業計画を策定するなどがある。政府は30日にも具体的な要件を公表し申請の受付を開始する。これらの要件を三洋電機は全てクリアする。特にリチウムイオン電池、太陽光発電関連の技術は世界的で三洋電機を国が救済するのは、国益にも適う。現下の大不況でTOBを仕掛けているパナソニックといえども先行きの見通しが立たない状況で「まず、三洋電機が公的資金を申請する。その後にパナソニックはTOBか金融支援する」(同)段取りを考えているのではないかという。300億円の公的資金の申請を検討しているパイオニアには、ホンダという支援者が現れた。23日のパイオニア株が2割以上も高騰したのは、政府と有力な民間企業による二段ロケット型の支援が好感された。「独禁法という難しい問題をクリアする必要のあるTOBは時間をかけて進める。当面は国に支援をお願いする。それでも三洋電機は立ち直ることができる」と関係者は明言する。当面の業績は苦しい。3月期決算発表の日時は未定。株価は一時180円台へ乗せたものの23日は反落した。しかしながら、チャートは明らかに大底を這い出し上昇局面を暗示している。売買高の激増ぶりは「再生へ向けて何か大きな変化」が起きていると思われ、短中長期で「買い」と考える。