今期は保守的な計画

東洋炭素  [5310] 東証1部 時価:5,500円

等方性電極の先駆者で世界シェア3割を誇る。等方正電極は熱・電気伝導性に優れ、高温や薬品への耐久度が高く、軽量で加工に優れる特徴を持ち、シリコン単結晶引き上げ炉のるつぼやエレクトロニクス分野に用いられている。独自技術で利益性に優れるため株式市場において高い評価を得ている。08年5月期の連結営業利益は当初計画より伸び率がやや低下したものの前の期に比べ16%増の80億3100万円を達成。09年5月期の同利益は前期比2.9%減の78億円へダウンする計画を立てている。これは原材料コークスの価格が高騰していることや急速な円高を警戒しているためだ。ただし、この見通しはやや保守的な印象が強い。等方性電極の需給は引き続き逼迫している。このため現在の生産能力を年1.1万トンから1.5万トンへ増強しているところだ。原材料高の価格転嫁については「東海カーボンなどが生産している黒鉛電極は一律的に値上げができるが、当社の等方性電極はユーザーごとに加工し納品しているため、一律な値上げは難しい」(会社側)という。しかし、アナリストの見方は違う。「市場シェアが高く、需給が逼迫しているため価格転嫁は順調に進む」(銀行系証券)と見ている。新しい需要先として太陽電池製造用途の特殊黒鉛需要増が期待されており、今期の会社計画は上ぶれる公算が大きい。