ドル・米国株ともに底打ちの局面入り
- 世界の金融市場に、一時は『信用不安』の懸念さえ与えたドル安・米国株安だったが、ようやくその懸念は払拭され、15日(日本時間)を契機にドルも米株も底を打ち、反発に転じた模様だ。米国の金融当局による2つの緊急対策が功を奏したのが背景である。1つはFRBによる政府系住宅金融会社への救済策であり、さらにもう一つはSECによる緊急株式空売り規制――である。この対策を契機にして、原油市場に異変が起きた。原油市場に向かっていた巨大マネーがドル買いに走り、同時に株式市場の底入れ感触から一挙に株式市場にUターン現象を起こしたのだ。世界の金融市場は米国のサブプライム問題を起点にしてドル売り・株安・商品市況高を演じた。すべての元はドルの信認に影が差したことにある。それがいまようやく原点に戻ったのだ。米国は、目下、新しい景気の刺激策を検討中であり、今後は一段と景気の面でも功を奏すことになろう。日本株もやや売られすぎの面もあったが、今後は外人買いも厚みを増すことになろう。日本経済の現状だが、円はドルに対して強含みながら、ユーロに対しては軟調であり、輸出競争力という面では決して損なわれてはいない。さらに上場企業の増配傾向はこのところ顕著で、配当利回りも10年債を上回っている。これらの要因からも、国際金融の世界で、運用者たちが日本株を改めて注目することとなろう。
明智 平蔵