日本の鉄鋼メーカーのプレミアム復活へ

HSBCは、JFE(5411)を「OVERWEIGHT」、新日鉄(5401)を「NEUTRAL」で新規でカバレッジを開始した。日本の大手高炉メーカーは鉄鉱石や石炭価格の高騰から収益が短期的に圧迫され、新日鉄の09年3月期連結経常利益は前期比3割以上の減益見通しだ。しかし、HSBCでは、高級鋼材市場への新規参入は容易でなく、新興国を中心とした高級鋼材需要の伸びに見合った供給が困難で高級鋼市場における実績と技術的優位性を背景に日本の鉄鋼メーカーは今後も成長を続ける公算が大きいことを理由に大手高炉メーカーの推奨を始めた。まだ、鉄鋼株に懸念を抱く向きがもあるが、今後の鉄鉱石や原料炭の価格交渉はほぼ合意に達しており、悪材料の大部分は織り込み済みと考えられる。コンセンサスとは異なり、HSBCでは現在の鉄鉱石や原料炭の需給逼迫は09年3月期下期には緩和され、鉄鋼メーカーのコスト圧力も軽減されるとしている。JFE株と新日鉄株のPERは従来、アジアの鉄鋼メーカーを10?上回っていた。高級鋼分野での実績と競争力から両社のEBITマージンがアジアの競合を上回っていたためだ。このところプレミアムは剥落しているが、高級鋼の需給が今後もタイトな状況が続く見通しとなれば、プレミアムが復活する公算が大きい。