待たれる第3世代の太陽電池

石油依存からの脱出への取り組み

サミットが終了し、日本はこれから「国家エネルギー戦略」に基づいて石油の依存度をいかに引き下げるかについて各論の研究に入る。新エネルギー比率の引き上げは、具体的には原子力の比率を30〜40%アップさせることであり、さらに技術の問題では太陽光発電の効率化への取り組みと高機能バッテリーの開発――に尽きる。株式市場でも、折に触れてこの3点に関連する企業群が注目を集めることになろう。技術開発力に関しては日本のお家芸であり、とりわけ太陽電池の発電効率アップが目下の焦点となっている。太陽光は石油と違って資源が無限で、かつ無料である。太陽が地球に放射する「太陽エネルギー」の量は毎日、地球表面の1平方メートル当たり約1000ワットに相当する。太陽電池の原理はこの光(光子)を、電気(電子)に変身させることである。これをできるだけ低コストで、しかも効率100%というのが究極の狙いなのだ。現在の技術水準は、基板にシリコンを使った第1世代から、基板にガラスや金属を使い、薄膜状のアモルファスシリコンを成長させて発電する第2世代に移ってきている。しかし、それでもなお、効率は50%には遠く及ばない。そこでいま研究されているのが第3世代の太陽電池である。たとえば、量子ドットといい、一つの光子から3つの電子を取り出そうというもの。そしてこれを集光してフルネルレンズで効率よく変換する。また、酸化チタンを利用して色素を増感させる手法、さらには、量子ナノ構造制御――といった各種の研究である。要するに、受けた太陽エネルギーを完全に閉じ込めてすべてを電子に変えようという考え方である。研究に従事している企業には、ナノ構造では凸版印刷スタンレー電気日本板硝子。光封じ込めでは旭硝子などがある。早期の成果発表が待たれるところである。  

 明智 平蔵