ドルの回復が鍵
- G8サミットの焦点
先週までのデータで見れば、米国の株価は昨年の10月から20.8%の下落であり、日本は11日連敗で下落率は8.2%を記録した。注目すべきことは、ここに至るまでのドルの実効レートの歯止めなき下落である。サブプライム問題など多くの要因があるが、国際金融の世界では、大前提は、強いドル、ないしは安定したドルである。世界マネーはまず米国に向かい、米国から分散投資されて再び各国の債券、株、商品に向かう――というのが資本主義のマネーの道筋であり、仮にユーロの通貨体制が出来たとしても、規模の上でドルに叶うわけがない。ドルにとって代わるパワーもないのだ。現況はドルが下落したことで余剰マネーが米国への道を閉ざされ、原油先物、資源先物、さらには実質的なドル・ペッグ国を中心にしてマネーが集中し、世界的な過剰流動性による価格上昇を見せているのである。その結果、先進国は経済が低迷し、資源国・新興国の高成長というアンバランスな経済を演じているのである。従って、世界経済の再生の鍵は、一にドルの復権ということになる。そのためには、米国の経済が安定し、金利とドルが自立的に上昇するシナリオを米国が描かなければならない。7日から始まった、G8サミットの最大の焦点は、このことである。果たしてこの会議で何が打ち出されるか、日本株にとっても最大注目といえる。
明智 平蔵