クライシスから1年の節目

<9日のNY市場は上昇> 9日はSP500種株価指数が09年の弱気相場での最安値を記録してから1年の節目だった。株価は上昇したが、米経済は今後もリセッションからの回復を続けるとの見方が背景にある。SP500種はこの1年間で69%戻している。ユナイテッド・テクノロジーやGE、ATTなどを中心にダウは上昇した。シカゴ連銀のエバンス総裁は、FOMCが今後3、4回の会合にわたり政策金利を低水準に維持する可能性が高いとの見通しを述べた。次回の会合は16日。ダウはプラス11・86ドルで終えた。
<為替> NY市場では円が大半の主要通貨に対して上昇。格付け会社フィッチが、ギリシャ政府が赤字削減計画を実行に移すとの保証はないと指摘したことを受け、高利回り資産への需要が後退した。フィッチはギリシャ内閣の中で、赤字削減計画に反対の声が上がり始めている兆候があると説明、これに反応し円はユーロに対して上昇した。円ドルは89・98円で取引を終えた。
<商品> 金先物は小幅続落。原油も反落した。
<東京市場の前場は小幅安> 前場の日経平均株価は8円60銭安の1万559円05銭と小幅安で終えた。外国証券経由の注文状況は、売りが1240万株、買いは1620万株と買い越しだった。週末にメジャーSQを控えていることもあって売り買いとも手がかり材料難。寄り前発表の1月機械受注は前月比でマイナスに転じたが予想通りとあって悪材料視する向きはなかった。日新製鋼(5407)が29日から、日経平均株価の新規採用となったことから買い人気化している。除外銘柄は新日本石油(5001)、新日鉱ホールディングス(5016)、損害保険ジャパン(8755)。4月2日からは、JXホールディングス(5120)、NKSJホールディングス(8630)が新規採用となる。
<クライシスから1年目> 1年前の3月9日は世紀のクライシスといわれた金融危機に見舞われ、世界の株価は大暴落の憂き目に逢った。しかし今ようやく世界の株式市場はこの深い傷から立ち直りを見せ始めている。考えてみれば、ITバブルが天井をつけたのも10年前の3月10日だった。足元にはまだ多くの難問があるが、いずれも関門をくぐり抜けてきたのは英知である。株式市場の恐るべき底力を見る思いである。東京市場では現在、中小型銘柄物色が継続、仕手性材料株、テーマ性材料株などが物色され始めている。
 

 明智 平蔵