高まるユーロ安の懸念

<25日のNY市場は下落> 先週の失業保険申請件数が予想以上に増加したことや、1月製造業耐久財受注も予想に反して減少したことを嫌気して、主要株価指数は小安い展開となった。昼過ぎに一部コモディティ価格が反発し始めたことや、アップルが株式分割の噂をきっかけに急反発したことで株価指数も下げ幅を縮小し、ほぼ横ばいで終了した。ダウはマイナス53・13ドル。
<為替> ロンドン市場は、ギリシャの格下げ観測や大規模なストの影響を懸念してユーロが下落。円は対ドルでも買われ独歩高。円は89円台前半、ユーロ円は120円台で推移した。NY市場では弱い経済指標を受け、ダウは一時200ドル近い下落となり、ドル円も89円割れとなった。バーナンキFRB議長の議会証言では物価は安定している等の認識を示したが、マーケットの反応は限定的。株価持ち直しとともにユーロが買われた。
<商品> 金先物は反発。原油は急反落した。
<東京市場の前場は小反発> 前場の日経平均株価は朝方発表の1月の鉱工業生産指数が前月比2・5%増と、予想の1・0%を上回ったことを好感して、42円92銭高の1万144円88銭と、4日ぶりに小反発した。外国証券経由の外人の注文は売りが1980万株、買いは1710万株だった。トヨタは小幅だが値上がりしている。UBS証券ではトヨタの投資判断を「買い」とし目標株価5100円を継続し、米議会での公聴会で新たな悪材料がなかったのは朗報としている。 為替は89円台前半での取引となっているが、今日は月末需要に伴う輸出企業のドル売り・円買いが見込まれているものの、市場ではドル反発の予想も出ている。
<ユーロ安懸念高まる> 中長期的にユーロが安くなるとの見解が強まっている。「PIIGS」に代表される欧州のソブリン・リスクへの警戒感が日増しに強まっているためだ。欧州はドイツやフランスのようなユーロ安の恩恵を受ける国と、スペインやギリシャのようなユーロ安の恩恵を受けられない国との2重構造となっている。スペインやギリシャはドイツ向けを含む欧州域内での貿易比率が圧倒的に高いため、ユーロ安による輸出ドライブで景気回復を狙うことができない。ユーロ安で恩恵が受けられないこれらの国の今後が、今回大きな問題として浮上しているのである。 
<目立つ先物サイドでの横行> 先物サイドでの動きが日本株を混乱させている。欧州の財政リスクをベースとして短期筋が日経平均をコントロールしているからだ。日本株の上昇を阻止するには円高局面を利用すればいい。このため、「外貨売り(円高誘発)・株先売り」を仕組むことで、万年円高恐怖症の日本の投資家を萎縮させ、日経平均株価の上値を抑えるといった手法である。 
 

明智 平蔵