米公定歩合をサプライズ的に引き上げ
- <18日のNY市場は3日続伸> 米国株は続伸したが、引け後に米連邦準備理事会(FRB)が電撃的に公定歩合を0・25%引き上げた。NY市場の朝方は、1月の生産者物価指数が予想を上回り、先週の失業保険申請件数が予想以上となったことが嫌気され主要株価指数は小幅安で寄り付いた。しかし午後2時頃から原油を筆頭にコモディティ価格が上昇すると株価も回復して一段高となり、ダウは83・66ドル高で終了した。
<為替> ロンドン市場では、米国の早期引き締め観測を背景にドル買い(円売り)は根強く、ドル円は90・98円のレンジで推移した。NY市場ではドルが強含み(公定歩合引き上げで急騰)。ドル・円は90・85円で始まった。午後4時半頃(日本時間19日午前6時半)、公定歩合の引き上げ(0・5%から0・75%へ)を受けて、ドル・円は91・19円から91・75円へと急騰、一時は92円台に突入した。FRBは、「公定歩合の引き上げは金融政策や経済見通しの変更を意味するものではない」との声明を出した。
<商品> 金先物は下落。原油は大幅続伸した。
<東京市場の前場は4日ぶりに反落> 東京市場の前場の日経平均株価は、76円26銭安の1万259円43銭と4日ぶりに反落した。朝方の外国証券経由の注文状況は、売りが1050万株、買いは1390万株だった。米国の利上げを受けてドル・円相場は今朝8時過ぎには92・09円までドル高・円安に振れた。市場では揉み合いが続き、東芝やソニー、日産自などの輸出関連は余り買われず、GSユアサやツガミや東光などの低位銘柄が値上がりしている。
<米が公定歩合の電撃引き上げ> FRBによる公定歩合の引き上げは、まさにサプライズだった。昨日この欄で、ドルが為替市場では「再評価の動き」と記したが、世界の株式市場でも、また債券市場でも今日の利上げは読んでは居らず、ただ為替市場のみがその予兆を掴んでいたということだ。為替市場の眼力には敬意を表するしかない。米国のこの利上げの背景はリーマン・ショック後に行われた一連の流動性供給措置の終焉を示したものであり、これまで続いてきたドル安・円高の流れが大きく変ることとなろう。現実に今日の為替は92円台に入ってきている。利上げは世界的なマネーの潮流に大きな変化をもたらすが、リスク容認とされたドル安が終止符を打つことになれば、商品や、新興国へ流れていたマネーはドルに向かい、日本市場にとっては待望久しい円安局面へ移行することになる。東京市場でも年度末を控えた輸出企業の業績改善に対する期待が出るゆえんだ。ただ、この利上げがNY市場の引け後に発表されたため、今晩のNYの為替・株式市場の動向を注視したい。
明智 平蔵