ドルに評価見直しの動き

<17日のNY市場は続伸> 朝方発表の1月住宅着工件数や鉱工業生産が予想を上回った上、企業決算も好決算が続き続伸で取引を開始。一時原油安に連れ安して下げたが、株価指数は小幅高で終了した。午後に発表された1月のFOMC議事録では主にバランスシートの圧縮について議論された。一部メンバーが近い将来の資産売却を主張したことなどを背景に債券が売られたが、株式市場への影響は限定的だった。昨日大幅高したエネルギー関連や銀行株は反落した。ダウは40・43ドル高で終えた。欧州市場は小幅上昇で終わった。
<為替> ロンドン市場では円相場は続落した。香港、欧州株高を受けてリスク許容度改善の思惑から円売り・ドル買いが優勢で91・15円の動き。ギリシャ財政不安の後退が高金利通貨買い(リスク選好)と指摘され90・90円で取引を終えた。円はブラジル・レアルや南アフリカ・ランドを含む主要通貨全てに対して下落した。NY市場ではドル買いが優勢。1月住宅着工件数が年率換算59万1000件と予想の58万件を上回り過去6ヶ月間で最大となったことでドル円は91・03円と2月4日以来の91円台乗せとなった。鉱工業生産も前月比0・9%増と予想の0・7%増を上回り債券市場は売られた。FOMC議事録では出口戦略の前倒しを連想させる内容であったことからドルが買われ91・34円に買い進まれた。
<商品> 金先物は反落。原油は続伸した。
<東京市場の前場は小動き> 東京市場前場の日経平均株価は、15円09銭高の1万321円92銭と小動きだった。外国証券経由の注文状況は売りが2180万株、買いは1980万株だった。市場では戻り売りの動きが出ている。米国の世界最大の農業機械メーカー、ディーア社の第1四半期決算が前年同期比19・2%増益で、10年10月通期の純利益見通しも9億ドルから13億ドルに引き上げたことから、井関農機やクボタが値上がりしている。
<ドルに見直しの動き> 為替市場では、欧米の株価上昇を受けてリスク許容度の改善との思惑から円売りドル買いが優勢となるなど従来の動きとは逆の動きが出ている。これまでのリスク選好の図式は、ユーロ買い・資源国通貨買い・ドル売り・円売り、であったが、今回のリスク選好では「ドル買いの一色」となっている。ドルの評価見直し(円安)の動きが出たということだ。円安は歓迎ながら、この流れが今後とも続くかどうかの判断は難しいが、今日の午後には日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、3時半から白川日銀総裁の会見が予定されている。デフレの実情から日銀に対しては追加の緩和を求める政府からの圧力は強まっていると見られるが、今後円高が一段と進行した場合は、日銀は追加量的緩和策に踏み切る公算は高いと見られる。
 
 

 明智 平蔵