世界市場はリスボン条約発動を注視

<11日のNY市場は上昇> EUサミットではギリシャ救済案の詳細が示されず、ポルトガルやスペインの救済に対しての協議が行われなかったことも嫌気されて、市場は軟調に推移したが11時以降に原油先物が反発したのをキッカケに株価も上昇、午後も堅調に推移した。ダウは105・81ドル高、NASDAQは29・54ポイント高、SP500種も10・34ポイント高で終了した。セクターでは半導体、太陽光発電関連、中国の新規融資が急増したことを受け銅価格が急伸し、金鉱株も上昇した。 
<為替> ロンドン市場ではEU首脳会議でギリシャの財政再建支援の合意はあったものの具体案がなく、ユーロは軟調な展開だった。NY時間朝方に発表された新規失業保険申請件数は予想の46・5万件に対し44万件と強めの結果となり、ドル円は89・80円台に上昇したが、米国株先物が下げたため89・60円台へ押し戻された。その後株価の上昇と共に89円台後半で終えた。
<商品> 金先物は急反発。原油先物は大幅続伸となった。
<東京市場の前場は続伸> 東京市場の前場の日経平均株価は、74円61銭高の1万38円60銭と続伸した。欧州連合(EU)がギリシャ支援を打ち出したことや米国市場が上昇したことなどを受けて資源関連株を中心に買われた。外国証券経由の注文状況は、売り1560万株、買いは2440万株と買い越しだった。為替は89円台後半での取引。注目のSQ値は1万99円59銭だった。 
<リスボン条約発動なるか> ギリシャ問題については具体案がなかったが、その具体案は15−16日にブリュッセルで開かれるEU財務相会合で決定され、明らかにされる予定だ。問題解決が長引けば他の国に金融不安が伝染することは、97年のアジアの通貨危機でも実証済みである。マーケットが次の国を狙い撃ちするためだが、この問題を終結に持っていくためには、一国の対応ではなく、オールEUでの対応(リスボン条約122条行使)が必要になろう。このEUの基本条約は加盟国が経済的に窮地に陥った時は、EUが当該国の国債を保証することになっている。いま世界のマーケットは、この122条行使があるか否かに注目している。
来週月曜日の米国市場は「プレジデンツ・デー」で休場。アジア地区では台湾市場が11日から、中国市場は来週から旧正月に伴う大型連休を迎える。このため日本株を含むアジア株を売買する外国人の参加者も減少する見込みである。 
 

 明智 平蔵