リスク回避で強まる円高圧力
- <4日のNY市場は大幅続落> 欧州でギリシャやスペイン、ポルトガルの財政懸念が『ソブリンリスク』を呼んだことに加えて、米国で朝方発表の4Q労働生産性が予想を下回り、新規失業保険申請件数も予想以上となったことから株式市場は急落した。原油を始めコモディティ価格も下落し、売りが売りを呼ぶ形で下げ幅を拡大した。ダウは引け間際に1万ドルを割り込んだが引けはかろうじて大台を維持し268・37ドル安。NASDAQも65・48ポイント安、SP500種も34・17ポイント安だった。
<為替> ロンドン市場の円相場はリスク回避の思惑から90・50円近辺へと円が買われた。円は対ユーロでも大幅反発した。NY市場ではドルが急落。株安・商品市況下落でパニック的な円買いとなった。米国の経済指標の悪化を受けドル円は89・50円を割り込んだ。ガイトナー米財務長官が「投資に関する成功報酬税の導入を検討」と報じられるとリスクマネーの逃避が加速、円高圧力は止まらず88・54円へと急騰、ユーロ円も121円台に進んだ。
<商品> 金先物は5ヶ月ぶりの安値に暴落。原油先物も急落した。
<東京市場の前場は急落> 欧米株の急落や円高などから東京市場の前場の日経平均は293円33銭安の1万62円65銭と大幅な急落となった。円は89・66円と急激な円高となったことで主力株を中心に売られ下げ幅は一時300円を超えた。
<リスク回避モード入りで円高は不可避の情勢> 欧州市場が大幅続落し世界市場に警戒感を与えている。「PIIGS」の国々の株価指数の下落率は惨憺たるもので、スペインが5・9%安、ギリシャが3・3%安、ポルトガルは4・9%安、アイルランドは2・4%安といった具合だ。信用不安に落ち込む国からの悲鳴がない限り、当面継続するリスクである。当然ながら世界市場全体がリスク回避モードに入ってきている。日本時間今夜(10時半)の米国市場では1月の米雇用統計が発表される。予想では前月比1万5000人増、失業率は10・1%と12月よりも悪化となっている。また今日と明日でG7がカナダで開催される。中国は参加しないが、人民元問題が議題になる見通しであり、人民元の先高観が強まるようであれば、円高がさらに一層亢進する可能性が高まることになる。いずれにせよ、当面円安局面は期待し難い情勢となった。内需・ディフェンシブ関連への投資シフトが賢明であろう。
明智 平蔵