綱引き状態となった「円」
- <26日のNY市場は小反落> 中国の金融引き締め観測を嫌気して軟調なスタートだったが、注目企業の好決算発表が相次ぎ、主要指数は揃って買い優勢に転じた。1月の消費者信頼感指数が08年9月以来の高水準となったことも支援材となって堅調に推移していたが、午後に入ってNASDAQ指数が50日移動平均線に叩かれて下げに転じ、銀行株が急速に下げ幅を拡大して、小幅安で終了した。ダウは2.57ドル安、NASDAQは7.07ポイント安、SP500種も4.61ポイント安だった。
<為替> 中国当局が一部銀行の預金準備率を引き上げるとの報道が伝わり円は主要通貨に対し独歩高の展開となり、ロンドン時間では89.60円台へ円高・ドル安が進んだ。S&P社は日本国債の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更したと発表した。財政再建が遅れるとの見通しや、民主党の経済政策が中期的な経済成長が見込みにくいことなどが理由。発表直後にドル円は90.30円台に急伸した。その後ドルの買戻しが一巡すると89.40円台へ急落した。
<商品> 金の先物は続伸。原油は反発した。
<東京市場の前場は小反発> 前場の日経平均株価は30円34銭高の1万355円62銭と小反発。円高の進行で輸出関連株には売りが出ている。朝方の外国証券経由の注文は売りが2040万株、買いは1730万株と、久々に売り越しとなった。市場は決算発表の最中で、手控えムードが強いが、野村證券がレーティングを引き上げた太陽誘電、村田製作所、アルプス電気などが好感されている。
<森を見ず木を見る作戦がベスト> 外部環境面では、中国の金融引き締め懸念によるリスク回避の動きが再燃したことや、今日午前10時過ぎに北朝鮮がミサイル砲撃し韓国が応戦、との報道から為替市場では急激に円高が進み、89.41円まで円が買われている。その一方で、S&P社による日本国債のアウトルック引き下げの影響による円売りが欧州を中心に起きており、円を巡っては綱引き状態が続いている。国内事情では、前日まで日経平均株価は3営業日で543円下落しており内需株を中心として買戻しが入っている。日本株の調整は12月からの上昇に対する日柄整理という面も強い。3月に向けた再度の上昇が期待されるところだ。理由は、国内企業の決算。以前と比較して、上方修正する企業が増えてきている。とりわけ今週に入って上方修正企業の数が増加しており、今後もこの傾向は続くと見られる。したがって、当面は「森(外部面・指数)を見ず、木(個別銘柄)を見る」戦略がベストといえよう。
明智 平蔵